2020.07.05
「何をやってもポジティブになれない…やっぱり私…ダメなんです。一生この自分だと思うと毎日、毎日辛くて…。」
Aさんは
「自分が嫌でたまらない。なんで生まれてきたのだろう。」
「自分は抜け殻の様だ」と
話して下さいました。
言葉を詰まらせ震える肩から
お気持ちが痛いほど伝わってきました。
Aさんは幼少期の虐待
学生時代のいじめ、
社会に出てからの上司との関係に悩み続け
自分を変えたいと
この10年間ポジティブになれる様、一生懸命に努力されてきたそうです。
自己啓発の本を端から読み
セミナーにも参加。
各種カウンセリングにも
県内外問わず通われていたそうですが
「過去や他人は変えられない。自分が変わらなければ…」と
思えば思うほど苦しくなり、
自分が嫌いになっていったそうです。
一時的にはポジティブになれるけれど、
急に悲しくなって落ち込んでしまうんです。
その繰り返される感情に、
ほとほと疲れてしまったとの事でした。
Aさんに限らず
この様に頑張ってきた方がぶつかる
「ポジティブの罠」という
メカニズムがあります。
ポジティブ思考はある程度までは、
困難を表面的に乗り切る事が出来ます。
しかし、ポジティブ思考を
意識すればするほど
「そうできない私はバツ×」
「そうなれない私はバツ×」
ネガティブな感情を
「持つこと」や「感じる事さえもバツ×。」
「ネガティブ」=ダメな自分だ
と評価し自己肯定感は下がり続けます。
「今の自分じゃだめだ」と
さらに追い込みストレスホルモンが分泌。
焦るばかりで思考や行動が伴わず空回り。
その自分に、イライラ、落ち込みを繰り返し
さらにストレスホルモンが過剰に分泌。
「この自分は自分じゃない」と
自己否定から抜け出せず
悪循環、負のスパイラルに
陥ってしまいます。
これが「ポジティブの罠」です。
とっても多い現象です。
そこで、ここHugでは
辛い時にはしっかり、丁寧に
その感情をまず感じる事から始めます。
落ち込んだり、
不安になったり
人を恨んだり、憎んだり
イライラしたり、
泣きたい時
人は
「そうなるだけの理由が必ずあります。」
自分は、何が辛くて、
どんな気持ちだったのか
その理由はどこにあったのか…
自分の内面を優しく見ていきます。
さらに、客観視するワークを進め
「あ~そうだったんだね。それは無理もないね。」
「その感情があって当たり前だよ」
「なぜなら…」とひも解きながら
自分を許しケアしていく事を学びます。
Aさんは、ご自分に
「私よく頑張ったな」
「辛かったな」
「泣いていいんだ」
「無理もないさ」
「大事な自分の気持ちに気づけた」
と思いが変わっていきました。
自分の状態を受け入れ
気持ちに寄り添うと
共感する刺激が脳を安定させ
自己肯定感が上がります。
ありのままの自分をまず肯定できた時
次に踏み出せる本当の力が湧いてくるのです。
「大丈夫。ゆっくり行こう」
「自分の思い込みもあったな」
「辛かったけど、学べた。」
「この経験をしたからこそ、出来る事がある」と
真のポジティブになれる脳の状態が整うのです。
私達、大人は
「ネガティブになってはいけない」と
長年、心にブレーキをかけ蓋をしてきました。
その結果、ストレスホルモンが分泌され
脳に負荷を与え続けています。
思考が上手く働かず、考え方も
凝り固まってしまうのです。
「ポジティブであるべき」
「ポジティブでなければ」と
思考が執着すればするほど、
「なんで、出来ないんだろう」と
自分を否定し苦しくなってしまうのです。
Aさんは自分に
「ネガティブな時もあるさ」
「人間だもの。これも自分。」と
「温泉行こう!」と
自分をケア出来る様になりました。
この思考、行動が
「真のポジティブ」に
いける近道なのです。
「人間だもの」
「時代は頑張る時代から
心を整える時代になって来た様です。」
Aさんは自分を少しづつ許せるようになり
自分とゆっくり、自分のペースで
生きられる様になったと話して下さいました。
そして「この10年も決して無駄じゃなかった」と笑える様になりました。
自分と向き合い、「ポジティブにならなければ」の呪縛から解かれ
まず「自分を許しケア」することに力の向きを変えた結果
自分のコンデイションを整え「真のポジティブ」に向かえたのです。
*Aさん、ご自分と向き合い頑張りましたね。
「ここHug便り」へのご協力、本当にありがとうございました。
同じ思いの方が、すこしでも救われます様に…。
心から願っています。
ここHug 斉間京子