ここHug便り

許すとは…。

2020.06.19

  • カテゴリ: 心地よく生きる
  • 著者: 斉間 京子

「絶対に許せない」誰もが悩んで訪れます。かつての私も、そうでした。


何をしてても、

何を見てても

誰と会ってても

忘れる事が出来ず、

その人が四六時中

あたまの中に現れ、つきまとう。

逃げ出したい気持ちから

逃げる事すらできず

毎日その思いに囚われながら…

生きていく。

時に何十年も前の事なのに…。

本当にしんどいものです。


その私を救ってくれたのは、

心理学でした。

「一番許せないのは、いつまでも過去に囚われている自分自身である」事に気づき

許すためのプロセスを必死に学びました。



「許せない感情」がある時、自分でも気がつかない程

人はその時点で本当は深く傷つき、今の自分に引きずっています。

そうですよね。

それだけ本当は辛く壮絶な経験をされた。

なかなか忘れる事が出来なくて当たり前なんです。



「許せない」のは、深く傷ついた自分を必死に守っている心の現れでもあります。

「許せないながらも…」毎日、必死に頑張ってきた自分を

まず許しましょう。

許していいのです。


肩の力を抜いて「相手を無理に許さなくていいんですよ」とまず、私はお伝えします。

皆さん、「えっいいんですか。」とびっくりされます。

「はい、そうです。相手を憎んで当たり前な位、傷ついた辛かったご自分がいます。」


どんなに今まで辛かったことでしょう。

ここまでその思いを抱えながら、よく来てくださいました。

「まず気持ちをありのままに吐き出しましょう」と。


相手を憎む事を「自分に許し」

傷ついた自分をしっかりメンテナンス・ケアしていきます。



自分をメンテナンス・ケアせず

相手を許そうとする行為は

表面的で心に蓋をし

押さえつけているに過ぎません。

のちに必ずその思いは増幅し

圧を高め手が付けられなくなります。


傷ついた自分を丁寧に復活させ

ようやく「許し」について取り組んでいけます。


深くえぐられた傷が

少しずつ癒えた時、

初めて相手の状況、環境、立場などが見えてきます。


「相手はなぜ、そんな事をしてきたのか?」

「相手が欲しかったものは何か?」

「相手が恐れていたものは何か?」

「相手は強そうで、実は弱く未熟だった。」など

相手を客観視できる様になり

自分を楽にする視点が生まれてきます。



「相手を許せない時」

まずは自分を一番に

大事にケアしていいのです。

「なぜ辛かったのか」

「どうしてほしかったのか」


「そうだよね。辛かったよね。」と受け入れた時

「自分も歪んでいたかもしれない」と新しい気づきが生まれます。


「許し」とは、

相手のためにするものではなく

相手に支配され

常に囚われた人生から、

自分自身が解放される事。


自分の人生への穏やかさを取り戻し

自分らしく生きるためのものなのです。



「許す」とは

自分自身への贈り物。

自分が軸となり出来る行動です。

大事にゆっくりゆっくり、

ひも解いていきましょう。


ここHug 斉間京子